3.1 見学会 事務局長 水谷隆
(1) 東京農工大学科学博物館見学会
2023 年10 月23 日土曜日に東京農工大学科学博物館https://www.tuat-museum.org/の見学会を開催しました。見学会は本施設のボランティア説明員として活動されている葛西成治さん(1965 年繊維工学科卒)の提案によるものです。11 名の方に参加頂きました。
見学会は葛西さんから事前説明を受け、主に機械展示室、繊維関連資料展示室とまわりました。稼働可能な機械設備があり、これらが稼働する様子は迫力のあるものでした。
織機改良の変遷のなかで、たて糸列の中によこ糸を挿入する技術の進化を実際に稼働する機械で見ることができました。今では当たり前になっているエアジェットでよこ糸を挿入する技術は、小さなメーカーが開発したものを応用したそうです。この技術を開発した技術者、市中から見つけた技術者、それを応用した技術者に想いを馳せると下町ロケット的な物語があったのではとロマンを感じました。しかも、開発メーカーは特許を守りきれずに倒産してしまったとの結末にはビジネスの厳しさも感じました。
機械展示室の中で興味を引いた機械がジャガード織り機です。織り模様に対応した穴の開いたカード(パンチカード)を読ませることによって模様の入った布を織りあげるものです。カードを入れ替えることによって色々なパターンの模様が可能となりました。この穴の有無(オンオフ)による制御方法が計算機に応用され、コンピューターの歴史で重要な発明と言われています。
二階の繊維関連資料展示室にカラフルな糸で装飾されたような機械がありました。組紐を作ることが出来るそうです。展示されている装置の多くは機械的な制御で機能していると想像でき、非常に複雑な形状ですが、美しくもあり、その存在感に魅了されました。
なお、見学会終了後は近くの居酒屋で参加者の懇親を深めました。